オーダースーツのプロが伝授するブラッシング実践術!~ジャケット編~

TRIVIA
2020.06.28

 

ブラッシングシリーズ、第3弾!

前二回は、ブラッシングをする上で知っておきたいスーツの知識やメリットをお伝えしてきました。

 

今回はついに実践編!

 

実際のブラッシングのやり方を細かく解説していきます!

この記事を見ながらぜひ一緒にブラッシングしてみてください!

 

 

ブラッシングの様子

 

まず気を付けていただきたいのが、ブラシを当てる強さ。これが強すぎると劣化の元になります。

生地に少し引っ掛かりを感じるか感じないか程度で当ててみてください。

 

 

ブラッシングの様子

 

 

ブラッシング方法をYouTubeなどの動画で拝見すると、吊るした状態でブラッシングしているものが多くありますが…生地の方向に沿わせる場合はテーブルなどに置いて行うことをオススメします。

 

「生地(繊維)に入り込んだホコリやゴミを取り除く」ためのブラッシングでは、

表面に付着したホコリやゴミを払う方法】【繊維(生地)に入り込んだホコリやゴミを掻き出す方法】の2種類のブラッシングを施します。

 

 

ブラッシングを当てる順番は上から下が基本。

このとき、繊維(生地)の向きに沿っていないとホコリやゴミを逆に絡めてしまう恐れがあるので気をつけましょう。

 

また、基本的にはブラシの向きは横向きがベターです。

 

 

それでは、実践解説スタートです!

 

 

 

 


 

【ジャケット編】

 

※全てのポケットを確認し、

入っている物は全て取り除いて下さい。

 

 

1.襟を立たせ衿裏をかける

 

襟裏のブラッシング

 

※オーダースーツでは衿裏に専用のフェルト生地が使用されていることが多いです。

※衿裏の生地はバイアス方向(斜め方向)で裁断されているので、ブラシも斜めに往復してかけてください。

 

 

 

 

2.襟を立たせた状態のままで上衿をかける

 

上衿のブラッシング

 

※首元にあたる内側から外側に向かってかけて下さい。

※繊維(生地)の向きが異なるので、まだラペルにはかけません。

 

 

 

3.衿をねかせて、ジャケットを半分に折り横向きにする

 

畳んだジャケット

 

 

身頃を開き、内側の表生地(見返し)を衿先から裾に向かってかける

 

ジャケットの見返しのブラッシング

 

※左右に釦と釦ホールがあります。ほつれなどの有無も確認しましょう。

 

 

 

4.衿の返りを手前側に戻し、袖をどけ肩線から裾に向かってかける

 

畳んだジャケット

 

 

ジャケットの身頃のブラッシング

 

※脇の縫い目より手前側が前身になります。

※ブラシの毛を線で当たるように角度をつけて前身と後身の縫い目(肩線)の溝になっている部分は小さく動かして当てます。

 

 

 

5.袖を持ち上げ正面(袖の外側)を肩先から裾に向かってかける

 

ジャケットの袖のブラッシング

 

※袖釦を外してブラッシングしやすくし、釦ホール・釦がほつれていないか確認。

※袖口裾のほつれや擦り切れを確認

 

 

 

6.袖を180°回転させて手前側に引き、内側(内袖)から裾に向かってかける

 

ジャケットの袖のブラッシング

 

※袖釦の閉じ忘れに気をつけましょう。

 

 

 

7.袖を倒した状態で脇部分を腕の付け根から裾に向かってかける

 

ジャケットの脇のブラッシング

 

※生地(繊維)の曲線に沿ってかけます。

 

 

 

8.ジャケットをひっくり返して、反対に3~7の工程を同じように繰り返す

 

ジャケット

 

 

 

9.半分に折られていたジャケットを開き背中面を出す。

 

ジャケットの背面

 

 

 

10.首元から裾に向かってかける

 

ジャケットの後身頃のブラッシング

 

※生地(繊維)の曲線に沿ってかけます。

 

 

 


 

以上で、表面に付着したホコリやゴミを払う事が出来ました。

 

次に、繊維(生地)に入り込んだホコリやゴミを掻き出します。

 

表面に付着したホコリやゴミを払う手順をそのままに繊維(生地)方向とは逆方向にブラシを動かしてください。

各工程ごとに、逆立てた繊維(生地)方向を戻して完了となります。

 

 

掻き出しブラッシングのポイントは、ブラシの当て方です。

局所的に点としてブラシで軽くたたくような感覚で逆方向にブラッシングしていってください。

 

 

袖、脇の付け根の部分には、【着用によって絡んだ生地(繊維)同士をほぐし、摩耗や毛玉になる事を防ぐ】ブラッシングを取り入れます。

 

摩擦が生じたであろう方向にも当てることで、毛玉の元である繊維(生地)の絡まりをほぐします。

 

 

ちなみに…オーダースーツのジャケットでは、腰のポケットをひっくり返すことができません!

 

ポケットの袋布の折れを防ぎ、ポケットの中に物が入っても美観が損なわれないように内側に膨らむように設計されていて、『縫い閉じ』と言って内側を縫い止められている為です。

 

ですので、腰ポケットのホコリやゴミを除去するにはセロテープやガムテープなどを使用してたたきとることがオススメです。

 

 

 

さて、ジャケットのブラッシング術をご紹介したところで今回は終わります。

(細かく工程を見ていくと長くなりますね…)

 

次回はパンツのブラッシング実践です!お楽しみに!

 

 

 

 


 

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