水洗いクリーニングの思わぬ落とし穴とは…!

TRIVIA
2020.06.13

前回は、ドライクリーニングでは落ちない水溶性の汚れについてお伝えしましたね。

そんな汚れに強い水洗いクリーニング、最強かと思いきや、問題点もあるのです。

 

それは、クリーニング後に行うプレスと衣類や裏地などの縮みです。

 

そもそもなぜ水洗いクリーニングでは高度なプレス技術が必要になのでしょうか?

 

洋服の主な素材はウールですが、中には様々な素材が混紡されたものもあります。一方で、水を吸った際の伸縮率は素材ごとに異なります。

 

その為、水に濡れると一部分は伸び、一部分は縮むことで繊維ねじれが生じてしまいます。

このねじれが型崩れの原因という訳です。

 

 

さらに、中の芯地が水を吸って膨らむことで折れ曲がるケースも多々。

 

また、スーツやジャケットの裏地に使用される代表的な繊維のキュプラという素材は、水に濡れると縮む性質を持ちます。

 

スーツやジャケットの裏地には、表生地の動きに対応できるようゆとりが存在しますが、水洗いクリーニングによりゆとり分が縮み、短くなることで内側に引っ張られるような現象が起こります。

 

 

クリーニング店も洗濯、プレスのプロなので家庭でやるよりは段違いに安定したプレスができますが、残念ながらスーツの構造や製造におけるプロではないため、中途半端なプレスになってしまうのです。

 

職人が常在するオーダースーツの仕立屋であれば、スーツの構造や製造を熟知した上でアイロンをかけるため、元の状態に近い仕上がりが可能なのです。

 

 

例えば、弊社Ginza Tailor CLOTHO(銀座テーラークロト)にプレスをお持ち込みされるお客様の事例としてこんなことがありました。

 

3つボタン段返り(釦ホールが3ヶ所あり衿のロールが2つ目のボタン位置)のデザインになっていたスーツのジャケットがクリーニングに出したら3つボタン2つ掛け(釦ホールが3ヶ所あり衿のロールが1番上の釦ホール位置)になってしまった。。。

 

ジャケット

 

Ginza Tailor CLOTHO(銀座テーラークロト)では、他社製品を含めクリーニングやプレスとしてお預かりすること=スーツのメンテナンスと考えており、新品に近い状態へ復元することを目的としています。

ご要望以外にも釦のほつれなどを細かく検品し、元の状態に近い復元を目指しています。

 

 

加えて、見落とされがちな縮みによる問題。

 

スーツの裏地

 

生地はもちろんですが、先ほど触れた裏地が大きな問題です。

 

Ginza Tailor CLOTHO(銀座テーラークロト)のオーダースーツではジャケットの裏地の裾裏側には縫い代を多めに控えてあります。

後の修理や縮みに対応できるようにするためです。

 

なので、Ginza Tailor CLOTHOではクリーニングをお預かりする際は裏地の素材を判断し、時には裏地を解いてからクリーニングをする場合もあります。

 

 

ここまでお話しすれば何となくご理解されたのではないでしょうか?

 

そう!ドライクリーニングと水洗いクリーニング両方をしないと汚れが落ちきらないという事、水洗いクリーニングを出す場合は確かな技術と知識がある所へ出さなければならないという事です。

 

 

 

次にクリーニングの頻度についてです。

 

ビジネスウェアである多くのスーツやジャケット、パンツはウール(羊の毛)で作られており、羊毛に含まれる油分は頻繁なクリーニングによりキューティクルが剥がれ、素材のハリやコシが失われます。

 

人間の髪の毛をイメージしてもらえるとわかりやすいですね。

カラー剤の脱色やノンシリコンシャンプーで洗った時のきしんだ髪のようなものです。

 

また、ハリやコシが失われると繊維間へ汚れが付着しやすく、詰まってしまうのでくたびれた印象になると同時に劣化の元となるのです。

 

例えば、洗顔をした後に化粧水や保湿をするのも同じようなことです。

落ちきらなかった汚れや過度なクリーニングによる汚れの付着は、そのまましまっておくと虫食いやシミ、カビが発生する原因に。

 

やはり、何事にも適正な頻度があるということですね。

 

ここで、種類別にクリーニング頻度の一般的な目安をご紹介します。

ワードローブの数にもよるのであくまで一般的な目安として下さい。

 

 

・コートやダウンジャケットのようなアウターは1シーズンに1~2回

・スーツやレザー系ジャケットは、1シーズンに1~2回、多くて2か月に1回

・パンツやスカートは、2ヶ月に1回、多くて1ヶ月に1回

・ワイシャツは、1回の着用につき1回

・セーターやニット類は、2~3週間に1回

・ネクタイは、1シーズンに1~2回、多くて2か月に1回

・マフラーやストール類は、1シーズンに1~2回

 

 

このような頻度でしょうか。

 

しかし、「クリーニングへ出したばかりなのに汚してしまった」なんてケースもあるかと思います。

 

そんな時は、全体的にクリーニングをするのではなく部分的な染み抜きや汚れ落としで対応するのも1つの方法。

クリーニング店にもよりますが、そんな方の為に様々なオプションメニューがあります。

 

着用前の加工としては『撥水加工』がオススメです。

通気性を保ちながら、水や油などをはじく加工です。

突然の雨や食べこぼし、汚れをはじくことで生地の繊維に入り込む汚れをガードする為、傷みを軽減することができます。

 

さらに、もう1つ着用前の加工としては『折り目加工(シロセット加工)』も有効的ではないでしょうか。

 

特質については、以前【最強キープ!~~~】で解説しましたが

折り目を付けるたびにクリーニングに出すのは過度なクリーニングになってしまいます。

 

また、部分的な汚れを落としたいのであれば『部分染み抜き』『汗ぬき』などが効果的です。

まだシーズン中であるスーツやジャケット、パンツも軽いメンテナンス感覚で汚れの付着した部分だけを取り除くことができます。

 

最後に、シーズンオフにクリーニングと合わせて『防虫加工』も永く愛用するには良いかもしれませんね。

虫食いから守ってくれる防虫加工は、市販の防虫剤より効果が高く持続性もあるのが特徴です。

 

ここまで、ドライクリーニングと水洗いクリーニングについてご説明しましたが、ではGinza Tailor CLOTHO(銀座テーラークロト)ではどのようにメンテナンスを提供しているのか。

Ginza Tailor CLOTHOが提供するプロのメンテナンスについてはまた後日。

 

 

 

 

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