3分で解る!~クリーニングの注意点・歴史を解説~

TRIVIA
2020.06.11
ミシン

 

過去のBLOG、

【最強キープ!ビジネスマン必須のパンツの折り目が取れないシロセット加工の原理を解説】

にて、クリーニングはスーツの劣化の元になるとお話ししましたが、何もクリーニングをすることが「悪」と言っているのではありません。

適度なクリーニングは良いメンテナスだと思いますし、毎日のブラッシングではなくクリーニングでないと落ちない汚れも存在します。

そして、汚れの種類によっては一般的なクリーニングでは落ちないケースも。。。

 

スーツのメンテナンス方法は様々ですが、本日はオーダースーツに限らずスーツやジャケット、パンツに最適なクリーニングの種類と方法を解説いたします。

例えば、衣替えの時期に『付いた汚れのシミ落とし』と『虫食い防止』の為にクリーニングへ出すという方が多いのではないでしょうか?

また、頻繁にクリーニングに出せば清潔に保てると思っている方も多いのではないでしょうか?

『付いた汚れのシミ落とし』や『虫食い防止』『清潔感』には繋がっても、そのクリーニングは本当にスーツやジャケット、パンツの為になっているのでしょうか?

 

そのクリーニングは、スーツやジャケット、パンツ自体の劣化を生む原因になっているかもしれませんよ!

 

理由を解説する前に、まずはスーツクリーニングの種類とその歴史をご紹介します。

クリーニングの始まりは明治31年頃まで遡ります。

 

19世紀のフランスでドライクリーニングが偶然発見され、1855年のパリ万国博覧会で紹介されると同時に世界中へ広がりました。

そのドライクリーニングを日本に持ち込んだのが白洋舎と言われています。

ドライクリーニングは型崩れを起こしにくく、低コストであることから現在のクリーニングは一般的にドライクリーニングを指します。

 

クリーニングの道具

 

それ以前のクリーニングは、スーツやジャケット等の洋服の仕立屋が行っていました。

 

なぜなら、仕立て屋は洋服の作りを理解している為、洗ってぐちゃぐちゃになってしまった洋服を綺麗に復元することが出来たからです!

 

しかし、洗い上がった洋服を元の状態の様に復元するには

洋服の仕立てを理解し、プレス(アイロン)技術のある熟練工でも数時間はかかってしまうほど労力が必要になります。

 

プレスを掛ける職人

 

実際に、弊社GINZA TAILOR(銀座テーラー)のハンドメイドオーダースーツ職人に私が自宅で洗ったジャケットのプレスをお願いしたところ90分以上かかり仕上がってきました。

そこで、仕上げの簡単なドライクリーニングが主流となり広まっていきました。

 

スーツとシャツ

 

普段何気なく利用しているドライクリーニングとは、石油系の有機溶剤を使ってスーツやジャケット、パンツなどへの影響を抑えシミや汚れを落とす洗浄方法です。

すなわち、水や温水で洗わないクリーニングです。

 

洗剤は石油系の有機溶剤をしているので、油性のシミや汚れを落とすのに最適な洗浄方法です。

石油系溶剤は日本で最もポピュラーなドライクリーニングの溶剤で、約90%のクリーニング施設が使用しています。

 

ボールペンや口紅

 

中華料理やラーメンスープの食べ汚しによる食用油、芯が出ていることに気づかずにひっかけてしまったボールペン、皮脂汚れ、その他(機械油、ペンキ、口紅、マジックインキ、靴墨など)はドライクリーニングの得意分野。

 

では、油性の汚れが付着しなければドライクリーニングの必要はないのかというと間違いです。

皮脂汚れは人が着用する以上必ず付着します。

 

なので、ドライクリーニングはスーツやジャケット、パンツなどへの影響を抑えつつ、

油性のシミや汚れを落とすのには最適な洗浄方法と言えるでしょう。

 

また、水洗いクリーニングと異なり、セーターなどの毛羽立ちや衣類の縮み、色のにじみ、風合いの変化を軽減することも可能です。

特に海外の製品は、染色堅牢度(染色の基準)が日本と異なるので特に注意が必要ですね。

 

クリーニング後のスーツ

 

 

ドライクリーニングについて解説しましたが、もう1つ!!

 

ドライクリーニングの溶剤管理は、クリーニング店によって様々なので注意が必要です。

 

私自身も、Ginza Tailor CLOTHOで提携しているクリーニング店との定期的なセミナーで知ったのですが、ドライクリーニングで使用する有機溶剤を毎日ろ過し、キレイにしているクリーニング店もあれば、溶剤をそのまま使い回し続けるお店もあるそうなのです。

 

例えるなら、てんぷら油の使い回しや健康ランドの循環湯に似ていますね。

ろ過をすれば使い回せる溶剤のため、安価に提供できるのかもしれませんね。

 

しかし、ろ過をしていない溶剤でクリーニングをされてしまうと、溶剤の汚れが衣類に付着してしまいます。

むしろ、その衣類が溶剤の汚れをろ過するフィルター代わりをしているようなイメージでしょうか。。。

この再汚染による汚れや臭いは、取り除くことが難しいのが現実。

色の濃いスーツやジャケット、パンツなどの衣類では匂い以外のダメージが目に見えて分かりにくいのですが、色の薄い、例えば白いパンツやセーター等では逆にせせり色のようにやや薄汚れて返ってくるという稀なこともあるそうです。

 

また、過度なドライクリーニングはスーツやジャケット、パンツの主な繊維であるウールのキューティクルを剥がしてしまい、風合いの劣化にもなるのでクリーニング頻度には特に注意が必要ですね。

 

 

明日はドライクリーニングと水洗いクリーニングの違いを解説したいと思います。

 

 

 


Ginza Tailor CLOTHO(銀座テーラークロト)

〒104-0061

東京都中央区銀座5-5-16 銀座テーラービルディング4F

TEL 03-6264-5592 MAIL clotho@gintei.com