水を弾く!「撥水生地」ってどんな生地?

TRIVIA
2022.05.07
アウトドア製品やレインウェア、スポーツ用品などでよくある「撥水加工」。
最近ではスーツの生地でもよく見かけるようになりました。
【水を弾く】加工である「撥水」とは何か。Ginzsa Tailor CLOTHOのおすすめする撥水スーツやメンテナンス方法をご紹介いたします。
スーツの生地のサンプル


▷撥水(はっすい)加工とは

撥水加工とは、生地の表面にコーディングを施し、水を玉状にして弾く加工を指します。
これは素材そのものではなく、「水」が持つ性質を利用しています。
「水」に含まれる水分子同士は互いに引き寄せ合う性質を持ちます。それと同時に、表面張力という反対の性質も持ち合わせています。
なので、生地(繊維)に含まれる微量な水分に対して、水分子を引き寄せる力を少なくするコーディングを施します。
そうすることで、水分は表面張力のみを発揮し、玉状に弾かれた状態になります。これが撥水加工の原理です。

また、シリコンやフッ素を被覆することで生地の表面に突起物を作り、水を弾くのも撥水加工の一種です。

技術の進歩と共に撥水加工も進化していますが、長時間の雨や汚れの付着、摩擦などによっては撥水効果が段々と失われていきます。
つまり、持続力のある撥水性と生地の風合いを叶える高品質な撥水加工と適切なメンテナンスが非常に重要になります。



▷水をかけて比べてみると

撥水生地と通常生地の比較
写真の左側が撥水の生地、右側が普通の生地です。
どちらも水をはじいているように見えますが、撥水生地の方は水滴が球体になっていて、生地への接地面がかなり狭いことが伺えます。

撥水生地と通常生地の比較
角度を変えると…
右の通常のスーツ地は水滴が潰れて、生地の表面にペターッとくっついてしまっています。
次に、生地についた水を手で払ってみると…

撥水生地と通常生地の比較
その差は一目瞭然。
普通のスーツ地は水がベチャッと広がり、生地に水が染み込んでしまっています。
対して撥水生地は、手で払っただけでこの綺麗さ!まさに梅雨の時期にぴったりのスーツ生地と言えます。

この撥水性を実現しているのが、「ナノ撥水加工」「ナノ・フィニッシュ」と呼ばれる加工方法。 生地の表面をコーティングするのではなく、糸の繊維自体にナノレベルで撥水剤を浸透させる加工を施しています。



▷ナノ撥水加工

撥水生地のアップ画像
撥水加工は進化を続け、開発されたのが「ナノ撥水加工」。
従来の撥水加工では、生地の正面に薄い膜を張ることによって水分を弾いていましたが、これではウール本来の通気性が損なわれてしまいます。
また、生地の風合いが固くなってしまうなどの問題もあり、その後の様々な開発の下に、ナノ撥水という方法が発明されました。

ナノ撥水では、撥水性に優れた成分をナノ分子レベル(10億分の1m)まで細かくし、生地の繊維に直接浸透させます。
そうすることで、通気性は損なわずに撥水効果を大幅に持続させ、洋服全体に均一な撥水強度をもたらせることが可能になりました。

その後も改良がなされ、カシミア100%の生地やデリケートな素材にも撥水加工が施されるようになりました。
手触りや風合いを損ねることなく加工できるように進化したのです。

撥水ナノは醤油やソース、油などによる汚れも付きにくく、 染み抜きなどの専門業者が大幅に減った一因とまで言われています。
今では撥水加工=梅雨の時期のワードローブというだけでなく、飲み会や会食などのスーツが汚れやすいシーン全てに安心感を与える万能生地の定番となりました。



▷撥水スーツの手入れ方法

撥水スーツの手入れは簡単です。

雨に降られた場合、まずは水滴を振り払って下さい。
注意点としては、拭くのはNGということ!
拭き取ろうとしてしまうと、水滴が生地の隙間に入り込み、染み込んでしまいます。これでは、せっかくの撥水の意味がありません。
振り払うことで、大半の玉状の水分子はそのまま流れ落ちていきます。
雨に濡れた場合にはなるべく早く水滴を振り落とすことが重要です。

熱を加えると、撥水性が回復するとも言われています。
ドライヤーで弱めの温風をかけ、日陰やお風呂場などの換気の良い場所で陰干しがベスト!
アイロンをあてる場合は低温で当て布をして、直接的に強い熱をあてないように注意です。

ブラッシングもこまめに。
スーツは着用するたびに汚れています。特に目に見えないほこり。
着用後はしっかりとブラッシングをすることで、生地が呼吸できる状態を保つことが大切です。
日々のメンテナンスを施し、2~3か月に1度はクリーニングに出してしっかりとケアすることをおすすめします。



▷撥水スーツのクリーニング

クリーニング後のスーツ
Ginza Tailor CLOTHOがおすすめするクリーニングは「オンリーワンクリーニング」

以前のブログでもご紹介した、1着1着に適した方法とトリートメントを用いて丁寧に仕上げる特別なクリーニングです。
オンリーワンというだけあって、撥水スーツには撥水スーツのクリーニング方法があります。

事前に撥水素材であることが分かっている場合には、残された撥水性をチェックした後、生地の風合いを損なわぬように調合された撥水溶剤を使用して撥水性を復元することが可能です。
スーツやジャケットを乾燥するタイミングで撥水溶剤を噴射し、馴染ませることで、生地本来の風合いへの影響を最小限にするという徹底したケア。
今持っているスーツが撥水なのか分からない…という場合も、クリーニングの過程で少しでも撥水性が確認できれば、それを復元できるよう努めてもらえるので安心です。
本来は加工に弱いシルク100%のネクタイに撥水加工を施すことも可能とのことなので、高いスキルと豊富な知識がうかがえます。

当ブランドとしても、お客様のお洋服は非常に大切なものです。
オンリーワンクリーニングは店頭にて取り扱いをしているので、信頼のおけるクリーニングをぜひ利用していただきたいと思います。

もちろん、高価なクリーニングに出せば全てOKということではなく、日々のメンテナンスがあってこそです。
メンテナンスにお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。



▷ワードローブの1つとして

急な雨でも、コンビニエンスストアで簡単に傘が買えてしまう今、なぜ撥水生地のスーツやジャケット、パンツを持っていていただきたいのか。

室内に入る際や車に乗る時に傘を閉じると、必ず肩や胸周りを濡らしてしまう方を多く見かけます。
どんなにスマートにしていても、雨に濡れた洋服は不格好に見えるもの。
より良い見た目と快適性のためのスーツとして。

全てのスーツを撥水生地にした方が良いというわけではありません。
ワードローブの1つとして、せめて1着お持ちになることをおすすめします。

Ginza Tailor CLOTHO(銀座テーラークロト)

価格:スーツ¥77,000~

   ジャケット¥49,500~

   ベスト¥38,500~

   パンツ¥33,000~

表地:約10,000種類

納期:ご注文から約4週間~

 

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